あなんの伝統野菜
長い間、山里の暮らしに寄り添ってきた在来の野菜たち。みずみずしいウリ、もちもちしたナスの食感、辛さの限界を知る唐辛子に出会うとき、野菜本来の味と「自然を食べることのすばらしさが実感できます。
伝統野菜の里「鈴ケ澤」
三遠南信の県境域には、いわゆる限界集落と呼ばれる山里が数多くありますが、「鈴ケ澤」もその一つです。町の中心部から約20キロ、平谷村境の標高900Mの山間にあり、5戸10人にも満たない人たちが支え合いながら元気に暮らしています。
夏には、どの家の畑にも、一軒の家では食べきれないほどたくさんのナスやウリの苗を植えてきました。それは、ここでしか取れない珍しい野菜を、時たま訪れる人に「おすそわけする」ことを無情の喜びとしているからです。そればかりではなく、塩漬けにするのもさまざまな料理に使って厳しく長い冬に備えるための智恵として、父祖の代からずっと受け継がれてきたものです。
日本各地で、収量が多く栽培が容易な品種に押され、消えて行った在来の野菜も多くありますが、私たちは、手間を惜しまず在来の野菜を伝えつないで来た鈴ケ澤の人々の暮らしと、それに長い間寄り添ってきた在来の野菜から、「ふるさとの心」と「食べることの根源」を教えてもらっている思いがします。
鈴ヶ沢なす(平成20年度 信州の伝統野菜に認定)
- 来歴は不明(昭和30年代にはすでに栽培されていた)
- 収穫期は10月霜が降りるまでの晩生種
- 果長20~25cm、果重350~450gの大型ナス
- 日持ちに優れ、強い甘みともちもちした食感が特徴
- 焼きナス、粕漬けなどのほか、素材の特性を生かしたフライがおススメ。
鈴ヶ沢うり(平成21年度 信州の伝統野菜に認定)
- 収穫期は7月下旬~9月上旬
- 果長18~20cm、果重400~500gの太短ウリ
- 果皮表面にデコボコがあり、果実断面が三角形なのが特徴
- 皮に苦みが少なく、果肉は厚いのに柔らかくみずみずしい
- 来歴は不明だが、形状に特徴があり、煮食の習慣も残っていることから貴重な品種とされている。
- 冷やして生食や粕もみ、味噌汁の具など加熱してもおいしくいただけます。
鈴ヶ沢南蛮(鈴ケ澤の在来種)
- 収穫期は8月上旬~9月下旬 生産量極少品
- 果実は5~8g程度で、果皮は比較的軟らかい。
- 青南蛮は究極の辛味を呈する。
- 加熱により旨味が加わり、絶妙の味となる。
- 油で炒めてみそに絡めたり、青南蛮は「辛味みそ」にします。
あなんの伝統野菜のお求めは
近年は、「南信州おひとよし倶楽部」が、鈴ケ澤の伝統野菜保存を行っています。
収穫期には、町内の道の駅やかじかの湯の直売所に出荷・販売を行っています。
問合せは、窓口となっている「阿南町地域おこし協力隊(総務課企画財政係)」へお願いします。
この記事に関するお問い合わせ
総務課企画財政係
TEL 0260-22-2141
FAX 0260-22-2576
mail soumu@town.anan.nagano.jp