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盗人行人・・・!?

盗人行人の供養

盗人行人の供養

 それは昔…行人様が新栄山の山頂の岩場において入廷してからおよそ十年の歳月が流れたある日のことでございます。名も知れぬ一人の旅僧が新野を通りかかり、信心深い村衆より、行人様のありがたい話を聞き、深く感動し「よし、わしもひとつ徳の高い行人様に負けないよう立派な即心仏になりたい」と決心をし、瑞光院の山すそにある大きな岩を修行の場とし、室を掘り出しました。始めは乞食坊主と馬鹿にしていた里の人々も次第に尊敬するようになり、生きているうちに一度はおがみたいと、近在からお参りに来る人も多くなりました。
 満願の日も近づいてきたある日、鐘の音に混じるように、ぺったん、ぺったんとお節句の餅をつく音が聞こえてくるではありませんか。餅が何より大好物であった僧は無意識のうちによろよろと音のするほうへと歩き始めました。僧は餅をつかむと思わず口の中に投げ込みました。入廷間近な僧にとっては、つきたての餅を飲み込むだけの力は無く、「こら餅盗人!」と怒鳴られたとたん、餅が喉につかえ、とうとう息絶えてしまいました。
 「偉い坊様だと思ったが、とんだ坊主だ」「行人様のまねなどしくさって」口々に騒ぎながら、今まで修行していた岩室の中に運び座らせてやりました。いつしか人々の口にも上らなくなりました。
 そんなある年の事、長い長い雨が降り続きました。誰が言い始めたのか盗人行人様が泣いているのだという、うわさが広がってきました。ふさいだ石室を見るとミイラにならず、白骨になっていました。里の人は旅僧を哀れに思い石塔を建てねんごろに弔ったといわれます。
 「日本国、六十六…」と刻まれた大きな岩が新野の大村橋を渡り、国道151号線を少し南下すると左手に見えてきます。


行人様の御開帳はこちらです。


  
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